助動詞は、「can」「will」「should」などの話し手の気持ちや判断を表す言葉です。
必ず動詞とセットで用いられるのが特徴です。
ここからは、基本的なルールと代表的な助動詞8つを紹介していきます!
助動詞を使う際のルール
助動詞の使い方には、いくつかのルールがあります。
ここでは、次の例文を使いながら解説をしていきます。
The man plays the piano.
訳:その男は、ピアノを弾きます。
1:意味を加えたい動詞の前に「原形」でつける
例えば、弾くことが「できる」という能力を言い表したいときには、助動詞「can」を用いて
The man can play the piano.
訳:その男は、ピアノを弾くことができます。
と表現します。
このとき、主語や時制に関係なく、助動詞の後ろの動詞が必ず原形になることに注意しましょう。
「原形」が何かを知りたい方は こちら をご覧ください!
2:notと共に用いることで否定の意味になる
ピアノを弾くことが「できない」と伝えたいときは、助動詞「can」とnotを使って
The man cannot play the piano.
訳:その男は、ピアノを弾くことができません。
と表します。
ほとんどの助動詞は <助動詞+not> の形(例えば、will not や should notなど、単語の間にスペースが入る)で否定を表しますが、「can」の否定形は cannot(canとnotの間にスペースを入れない)や短縮形の can’t と表記することが一般的です。
3:疑問文では主語の前に置く
ピアノを弾くことが「できますか?」と尋ねたい場合は、
Can the man play the piano?
訳:私の弟は、ピアノを弾くことができますか?
のようになります。
助動詞が先頭にくると考えてもいいですし、主語と助動詞の位置が入れ替わると覚えてもらっても構いません。
助動詞8選
ここからは、よく使われる助動詞を8つ紹介していきます。
複数の意味を持つものは、その意味ごとに例文を載せています。
can(能力、可能、許可、依頼、推量)
能力
She can sing well.
訳:彼女は上手く歌うことができます。(=彼女は歌が上手いです)
何かをする能力があるときに、canを用います。
可能
I’m free tomorrow morning, so I can go with you.
訳:明日の午前中は暇だから、あなたと一緒に行くことができます。
状況的に、何かが可能であると言いたいときに使います。
先ほどの「能力」と同様、日本語では「できる」と訳されます。
許可
You can take pictures here.
訳:ここで写真を撮ってもよいです。
canは、「~してもよい」という「許可」の表現にも用いられます。
ちなみに、否定文は「不許可」や「禁止」の意味を、疑問文は「許可を求める」表現になります。
You can’t take pictures here.
訳:ここで写真を撮ってはいけません。
Can I take pictures here?
訳:ここで写真を撮ってもよいですか?
依頼
Can you open the window?
訳:窓を開けてくれませんか?
「~してくれますか」という何かをお願いするときの表現になります。
推量
The region can disappear due to population decline.
訳:人口減少により、この地域は消滅し得る。
ここでは、「~し得る」「可能性はある」という意味で can が使われています。
推量の意味になるとき、否定文では「~のはずがない」という強い否定を、疑問文では「~はあり得るだろうか」という強い疑いを表します。
Even if the population will continue to decrease, the region cannot disappear, I think.
訳:たとえ人口が減り続けても、この地域が消滅するはずはないと、私は思う。
Can the region disappear in ten years?
訳:10年以内にこの地域は消滅し得るのだろうか?
may(許可、推量)
許可
“Hello. May I speak to Mr. Susumu?” ”Sure. Hold on.”
訳:「もしもし。ススムさんと話せませんか?」「分かりました。そのままでお待ちください」
「~してもよい」という意味で用いられます。
推量
She may be on her way home.
訳:彼女は自宅に向かっているかもしれない。
mayは「~かもしれない」という推量の意味にもなります。
must(義務、禁止、確信)
義務
I must finish this work by tomorrow.
訳:私はこの仕事を、明日までに終わらせなけらばならない。
「~しなけらばならない」という義務の表現に使われます。
禁止
You mustn’t swim this river.
訳:この川で泳いだらいけません。
must not(mustn’t)で、「~してはならない」という禁止の意味になります。
確信
Judging from the sky, it must be rainy in the afternoon.
訳:空模様を見るに、午後は雨に違いない。
must には「~に違いない」という確信の意もあります。
have to(義務・必要性)
義務・必要性
You have to go there.
訳:あなたはそこに行かなければならない。
「~しなければならない」「~する必要がある」という意味です。
must が「主観的に感じている義務感」を表すのに対し、have to は「状況や環境から客観的に判断される義務感や必要性」を表します。
否定文では「~する必要がない」という意味になります。
You don’t have to go there.
訳:あなたはそこに行く必要がない。
should(義務・助言、推量)
義務・助言
They should participate in the team which do volunteer activities.
訳:彼らは、ボランティア活動を行うチームに入った方がよい。
「~すべきである」「~した方がよい」という義務や提案を表します。
推量
After the meeting, he should alter his point of view.
訳:会議の後、彼は自分の考え方を改めるはずだ。
「~はずだ」という推量の意味になります。
had better(命令・忠告)
命令・忠告
You had better do your homework right now.
訳:今すぐ宿題をしなさい。
The government had better lower the consumption tax rate.
訳:政府は、消費税率を下げた方がよい。
「~しなさい」という命令や、「~する方がよい」といった忠告の意味を持ちます。
will(未来予測、意思、拒絶、依頼、推量、習性・習慣)
未来予測
It will be sunny tomorrow.
訳:明日は晴れるだろう。
「~だろう」という未来の出来事や状況の予測を言い表します。
意思
I will live in Paris in one year.
訳:一年後までにはパリに住むつもりだ。
will は何らかの意思を表すときにも用いられます。
拒絶
They won’t clean their room.
訳:彼らは、どうしても自分の部屋をきれいにしようとしない。
否定文で「~しようとしない」という拒絶の意味を表すことがあります。
依頼
Will you turn on the light?
訳:明かりをつけてくれませんか?
「~してくれませんか」と、誰かに頼み事をするときに使われます。
過去形の would を使うと、より丁寧な言い方になります。
Would you turn on the light?
訳:明かりをつけていただけませんか?
推量
She will arrive at the station by now.
訳:彼女は今頃駅に着いているだろう。
「~だろう」という推量を表します。
習性・習慣
He will often go shopping with his mother.
訳:彼はよく母親と買い物に行く。
will は、「~するものだ」「よく~する」という習性や習慣も表すことができます。
また、過去形 would と動作動詞をともに用いることで、過去の習慣を表現できます。
I would sometimes write essays when I was in junior high school.
訳:中学生の頃、私は時々エッセイを書いていたものだ。
「動作動詞」が何かを知りたい方は こちら をご覧ください!
shall(申し出、提案)
申し出
Shall I open the door?
訳:ドアを開けましょうか?
「~しましょうか」という申し出の表現に用います。
提案
Shall we go to the library next Saturday?
訳:今度の土曜日、図書館に行きませんか?
「~しませんか」と相手に提案する際に用いることができます。
まとめ
今回は、品詞の一つである「助動詞」を解説してきました。
使いこなせたら、表現の幅が広がること間違いなし★
繰り返し使いながら、覚えていきましょう!!