代名詞は、簡単に言うと名詞の代わりをする言葉です。
ここでは、そんな代名詞の種類や使う際のルールを紹介しています。
代名詞の種類
代名詞には、「人称代名詞」「指示代名詞」「不定代名詞」の3種類があります。
それぞれどういうものなのか、具体例を交えながらみていきましょう。
1:人称代名詞
人称代名詞は、人や物事などを指し示すときに使われます。
人称代名詞は大きく分けると7つあり、どんな人やものを指すかによって使い分けます。
また、形の変化があるのが特徴で、その変化によって次の5種類に分けられます。
使い方をまとめたのが下の表です。
人称 | 数 | 意味 | 主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | 再帰代名詞 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1人称 | 単数 | 私 | I | my | me | mine | myself |
複数 | 私たち | we | our | us | ours | ourselves | |
2人称 | 単数 | あなた | you | your | you | yours | yourself |
複数 | あなたたち | yourselves | |||||
3人称 | 単数 | 彼 | he | his | him | his | himself |
彼女 | she | her | her | hers | herself | ||
それ | it | its | it | ― | itself | ||
複数 | 彼ら、彼女ら、それら | they | their | them | theirs | themselves |
ここからは、種類の違いをみていきましょう。
a:主格
文の中で、主語(S)の働きをする代名詞です。
(1)I met Susumu yesterday. He was on his way home.
訳:昨日、私はススムに会った。彼は家に帰る途中だった。
(2)She bought an English book. It cost just 1,000 yen.
訳:彼女は英語の本を買った。それはちょうど1,000円だった。
b:所有格
日本語の「~の」にあたり、所有を表します。
所有格の代名詞には、必ず名詞とセットで用いられるという特徴があります。
(1)Our teacher Mary loves her dogs.
訳:私たちの先生であるメアリーは、飼い犬のことが大好きです。
(2)His dream is to become a police officer and keep the peace in his town.
訳:彼の夢は警察官になって、町の平和を守ることです。
c:目的格
文の中で、目的語(O)や前置詞の目的語の働きをする代名詞です。
(1)The homework was so difficult for you that I had to help you do it.
訳:その宿題はあなたとって大変難しかったので、わたしは宿題を手伝わなければならなかった。
(2)We saw many deer in the park and gave them a feed.
訳:私たちは公園でたくさんのシカを見かけて、エサを与えた。
d:所有代名詞
「~のもの」という意味を表します。
所有格と名詞のセットを、この所有代名詞で置き換えることが可能です。
(1)This pen is neither his nor mine. It probably is hers.
訳:このペンは彼のものでも、私のものでもない。おそらく、これは彼女のものだろう。
(2)The earth does not belong to any one person, but is ours.
訳:地球は、誰か一人のものではなく、私たちのものです。
e:再帰代名詞
「~自身」という意味を表します。
目的語になる再帰用法と、名詞や代名詞を強調する強調用法があります。
ⅰ:再起用法
She is always proud herself on her test scores.
訳:彼女はいつもテストの点数を自慢している。
ⅱ:強調用法
You yourself may decide what you want to do.
訳:あなたは、あなた自身で自分のやりたいことを決めてよいのだ。
2:指示代名詞
指示代名詞は、具体的な人や物、前後の節や文の内容を指す代名詞です。
話し手から対象までの距離と対象の数で、下の4種類に分けられます。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
対象まで近い | this | these |
対象まで遠い | that | those |
指示代名詞は単独で用いられることもあれば、形容詞を後ろに伴って使われることもあります。
(この使われ方をするとき、特に指示形容詞と呼ぶことがあります)
では、例文をみながら用法を確認していきましょう。
(1)These information will be useful when you travel to Singapore.
訳:これらの情報は、シンガポールに旅行をする際に役に立つでしょう。
(2)Move this one over there and those over here.
訳:これはあっちに、それらはこっちに移動させてください。
(3)What are we living for? That is the ultimate question of life.
訳:私たちは何のために生きるのか? それが、人生における究極の問いである。
3:不定代名詞
不定代名詞は、不特定の人・物・数量などを指す代名詞です。
種類が15以上ありますが、ここでは代表的なものを3つ紹介します。
(不定代名詞は、形容詞や副詞としても扱われることのある語が多く、用法が混同されがちです。本サイトでは、同じ単語であっても文法上の違いが明確に分かるように説明することを心がけています)
a:one
不特定の「1つのもの」や「1人」を表す語です。
前に出てきた単語の繰り返しを避けるために用いられます。
ちなみに、不特定の複数のものや人を指す時には、sを付けた「ones」という単語を使います。
(1) “Do you have a book?” “Yes, I have one.”
訳:「あなたは本を持っていますか?」「はい、持っています」
(2)This work is said to be superior to that one.
訳:この作品は、あの作品よりも優れていると言われている。
(3)I prefer foreign films to Japanese ones.
訳:私は邦画より、洋画の方が好きだ。
b:both
2つのものや2人の「両方とも」を指すときに使います。
(1)He has grandparents living in the US, but he hasn’t met both yet.
訳:彼にはアメリカに住んでいる祖父母がいるのだが、まだ一度も会ったことがない。
(2)Both of my computers are broken.
訳:私のコンピューターは、両方とも故障している。
c:everyone
「すべての人」を表す語です。
同じ意味の単語に「everybody」があり、こちらの方がより口語的です。
(1)Everyone has the right to express his or her opinion.
訳:すべての人が自分の意見を表明する権利を持っている。
(2)In this class, everyone‘s birthdays are different.
訳:このクラスでは、すべての人の誕生日が異なっている。
まとめ
今回は、代名詞の種類や使い方を例文を通して学んできました。
ルールに注意して、文章に応じて適切な単語を選べるようになっていきましょう!