冠詞は、名詞の前に付いて、それが特定の名詞なのか、それとも大まかな区切りの名詞なのかを表す品詞です。
実際にどのような種類があるのか、具体例からみていきます。
冠詞の種類
冠詞にはthe、a、anの3つがあります。
このうちtheは、後ろの名詞が特定できる場合に用い、定冠詞と呼ばれます。
一方、aやanは名詞が特定できない場合に使うもので、不定冠詞といいます。
He borrowed a book at school and read the book at home.
訳:彼は学校で本を借り、自宅でその本を読んだ。
この文章には「a book」と「the book」が登場します。
彼が借りた本は、文章を読む私たちには分からない(どの本か特定できない)ので、不定冠詞「a」が用いられています。
その直後に本を読むという描写が出てきますが、これは借りた本だと読み手にも伝わります(どの本か特定できる)。
そのため、定冠詞「the」が用いられているというわけです。
会話や文章の中で、聞き手や話し手を含めた全員がどれを指しているのか分かる場合には定冠詞、そうでないなら不定冠詞が使われる、と押さえておいてもよいでしょう。
ここからは、定冠詞と不定冠詞について、もう少し詳しくみていきます。
定冠詞
定冠詞(the)は、名詞が「特定のもの」であることを示すものです。
以下のような場面で用いられます。
基本的な使い方
(1)I went to Lake Biwa. The lake was so beautiful.
訳:私は琵琶湖に行った。その湖はとても美しかった。
文中で一度出てきた言葉を指す場合、どのものの話をしているのか特定できる(上の例で言えば、「the lake」が「琵琶湖」であることは明白です)ため、定冠詞を使います。
(2) “Will you give me the pen?” “Yes, of course.”
訳:「そのペンを渡してくれませんか?」「はい、もちろんです」
会話の中で出てくる名詞については、その場にいる人が共通認識を持てる場合に「the」を用います。
(3)Someday I want to go to the moon riding in a rocket.
訳:いつか、ロケットに乗って月に行ってみたい。
1つしかない普通名詞には、通例「the」を付けます。
名詞について解説した記事です!
(4)She and I go to the same college.
訳:彼女と私は同じ大学に通っています。
「same(同じ)」「only(唯一の)」「very(まさにその)」などの形容詞が付く場合、名詞が指す内容は特定のものに決まるため、定冠詞が用いられます。
不定冠詞
不定冠詞は、名詞が「特定のものを指さない」時に用いる冠詞です。
どんな名詞にも付くわけではなく、通例数えられる名詞の単数形にのみ付きます。
この不定冠詞には、aとanの2種類があります。
aとan
aは発音が子音で始まる単語、anは母音で始まる単語に用います。
つづりではなく、あくまで発音によって使い分けがなされることに注意しましょう。
aを用いる単語
例:a dog(犬) a peach(桃) a minute(分)
anを用いる単語
例:an owl(フクロウ) an apple(リンゴ) an hour(時間)
基本的な使い方
(1)Recently, I’ve found a coffee shop near my house.
訳:最近、家の近くにコーヒー店を見つけた。
会話や文章で初めて出てくる名詞には、基本的には不定冠詞を用います。
(2)I ordered a cup of coffee and an egg sandwich.
訳:私はコーヒー1杯とタマゴサンド1個を注文した。
one(ひとつの~)と同じように、「ひとつの~」「一人の~」という意味でも使われます。
(3)I go to the shop twice a week.
訳:私はその店に週に2度通っている。
per(~につき)と同じように、「~につき」「~ごとに」という意味で用いられます。
まとめ
英語の「冠詞」について解説してきました。
日本語にはない表現ということもあり、とっつきにくい部分だったかもしれません。
そういう方は、冠詞の種類やaとanの使い分けを、まずは押さえておくようにしましょう。